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生活環境科学科目群は,人間を取り巻く多様な環境要素および,人間と環境の様々な相互関係を探求できるユニークな教育・研究の場です。住居・建築系を基盤とした多彩な分野の専門家を揃えており,高度な専門教育研究を推進しています。

住環境文化学

住環境文化学

住環境の歴史・文化と住環境を取り巻く生活の諸課題に挑む

住環境計画学

住環境計画学

都市・建築・インテリアの計画・設計に挑む

住環境機構学

住環境機構学

住環境の安全性・快適性・持続可能性の機構の諸課題に挑む


当学科・研究科の3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

卒業認定・学位授与の方針

カリキュラム・ポリシー

教育課程編成・実施の方針

アドミッション・ポリシー

入学者受入の方針


研究・設計事例紹介

高齢者の居住環境整備の方法―日本とフランス

長寿化がすすむなか,一人暮らしの高齢者が増えています。日本では,介護保険制度が始まって20年になります。しかし,誰もが安心して自宅にとどまれる状況を実現するにはなお多くの課題があります。住まい,住環境もその1つです。本研究室では,社会的な配慮を要する人々の住まいや住環境を適切に整える仕組みを考えています。その一環として現在,居住分野における日本の高齢者支援の取り組みを,住宅政策が充実しているフランスのそれと比較する研究に取り組んでいます。日本では,互助を促進するなど,在宅を支援する地域社会の取り組みに着目し,それらが成立した背景やその持続可能性などを検討しています。

檜谷 美恵子(住生活学研究室/住環境文化学)



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子育ち,子育てを支援する居住空間を考える

子育てを支援するとともに子どもの育ちの環境を豊かにする住環境に求められる空間とはどのようなものでしょうか。本研究室では,他大学の研究者と連携して,京都府が整備した子育てをサポートする団地を対象に,それが居住者,特に子どもをもつ家族にどのように評価されているのかを探っています。また,団地の共用空間を子どもの遊びや学びの場としてうまく活用するために必要な取り組みを居住者とともに考えるワークショップを行うなどしています。この研究では,住まいや住環境に対する日常の具体的なニーズを捉えて,空間整備の在り方や,利用方法を考え,それを社会としての取り組みにつなげていくことを目指しています。

檜谷 美恵子(住生活学研究室/住環境文化学)



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エコライフの普及を目指して:表現の差異がマイボトル利用の普及・啓発に与える影響

①「マイボトルを使わずにペットボトルを買い続けると,3年間で約140,000円も損しています!」
②「ペットボトルを買うのをやめてマイボトルに変えることで,1か月で約4,000円もお得です!」
あなたなら,どちらのメッセージの方が,マイボトルを使おうという気になりますか? 実はこの2つの意味することはどちらも同じです。しかしこのように表現によって受け止め方が変わる可能性が理論的に示唆されています。こうした理論等を踏まえて,マイボトル利用行動の普及・啓発活動について分析したのがこの研究です。写真のように複数回のイベントでブースを出展し,表現を変えたポスターを展示して,参加者の意識の変化を分析しました。本研究室では,そのほか衣食住にかかわる環境に配慮した行動の普及を目指して,社会実験や調査,理論研究等,さまざまな研究を行っています。

山川 肇(環境配慮型生活学研究室/住環境文化学)



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京都の建築文化と北山の林業集落

川端康成『古都』の舞台にもなった,中川北山。大学から車で40分ほどの山村です。ここは「北山丸太」と呼ばれる杉銘木の,歴史的産地。北山丸太の柔らかな光沢や,しぼ(絞)の入った細やかな木肌は茶室や数寄屋の建材として好まれ,京都の建築文化を支えてきました。
このように都市や建築とその文化を成り立たせている土地の空間や社会の仕組み,その歴史を,丹念な調査によって捉えていきます。
わたしたちは建築や都市の理解と考察を深めることを目指して,それに関係するさまざまな土地を,地質・地形・水系などの基盤的要素,植生,気候,なりわい,人びとの暮らし,民家,集落などとの関係を相互に行き来しながら横断的に考えます。それは,生活文化の現象と深層を通じた思考です。
都市や建築は,それ自身で自律しているわけではありません。都市や建築を底から支えている事物の構造と時間,連環を,さまざまなフィールドから考察します。

松田 法子(生活文化学研究室/住環境文化学)



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祇園祭と現代京都の都市空間

長い歴史と伝統をもつ都市祭礼は,現代の都市空間においてどのような工夫や調整機構を伴いながら営まれているのでしょうか。
このリサーチでは京都の祇園祭を対象に,山鉾が建てられる現場とその周辺の車道や交通設備との関係,山鉾の部材などを納める蔵の位置と動線,お囃子の練習やご神体の安置,さまざまな神事や会合が行われる会所建築の現代性,山鉾建てに関わる人びとのあり方などを共同調査しています。

松田 法子(生活文化学研究室/住環境文化学)



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都市部における買い物弱者問題の分析とその対策の検討

日本の各地で高齢化が進み、加齢により移動手段・範囲が限定され、都市内の移動が困難になる人々が増えています。それに伴い、日常の買い物を行う店舗への到達が困難になる「買い物弱者」の問題が地方部のみならず、都心部やその郊外地域でも顕在化しています。
この研究では特に都心・都心郊外部の住宅団地やニュータウンを対象としています。アンケート調査・ヒアリングによる地域住民の方々の買い物行動の実態調査や、地理情報システム(GIS)と呼ばれる空間情報分析ツールを用いた分析により、どんな人が、なぜ、買い物に困っているのかという事や、地域の人々の店舗へのアクセシビリティの現状はどの様になっているのか、どのような対策が問題の改善・解決に寄与するのかといった事を、定量的な根拠に基づいて明らかにしてきました。得られた知見は、主に都市計画・地域計画の立場からの還元を目指しています。

関口 達也(都市計画学研究室/住環境文化学)



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近代の東京・関西の劇場街の比較研究

本研究は、明治期から昭和初期にかけての東京・大阪・京都それぞれの劇場街を通した娯楽空間の比較研究を進めています。「娯楽は生活のエンジンだ」は、阪急電鉄の創始者小林一三が語った有名な言葉ですが、人々が生活していく上で、余暇となる時間を過ごすための娯楽空間の都市的展開は極めて重要です。ネット上に様々なコンテンツが普及した今でも、リアルな空間体験としての娯楽は決して色あせないと考えています。 本研究では、かつて都市領域として展開した芝居町が、近代に入りどのように変化し、当時の社会に娯楽空間として根付いたのか、またそれは他のどのような文化的事象と結合していったのか、建築という物質的存在のみならず、そこでのふるまいについても触れていきます。

辻 槙一郎(住居建築史学研究室/住環境文化学)



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京都の風致地区における現代住宅のプロトタイプ

豊かな環境に住まうことは私たちの理想です。歴史・文化の町として知られる京都には風光明媚な場所がたくさんありますが,法的な制度によって自然環境と建築物の関係が規定されています。住宅建築は個人的な事象であり,同時に社会的な事象でもあります。つまり住まう人の自由であり,住まう人の責任でもあるわけです。さて,私たちの日常生活の拠点である住宅について,どのような視点から考えれば良いでしょうか。本事例では,その場所の特性を活かし,なおかつ建築の自立性を表現することを目指しました。既存の大きなサクラと地勢を残し,簡潔で明快な空間を構想した結果,春には満開のサクラとウグイスの鳴き声で満たされる家が実現できました。

河西 立雄(建築意匠学研究室/住環境計画学)



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急性期病院における持続的改善手法の実践

医療施設は日常生活に欠かすことのできない,生命や健康を守る施設です。そのために医療の進歩の早さや頻繁な医療制度の変更などに対応し,健全経営を維持し,機能し続ける必要があります。如何に計画するのか,と同時に如何に対応し続けるのか,如何に施設を使いこなすのかが問われています。
標は合理的な業務環境,患者さんにとって癒やしの療養環境,職員にとって快適な職場環境の構築です。某医療施設において,建築平面計画・利用者行動・物品供給システム・人員体制の関係を評価軸として,使用後調査-評価-課題抽出-改善計画立案-改善実行,使用後調査-評価-課題抽出,,,,の改善サイクルを継続的に行い,最適化を図っています。

河合 慎介(建築計画学研究室/住環境計画学)



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障害児施設における居住環境改善の効果に関する研究

この研究では,施設の建替えに伴って居住環境が改善された障害児施設を対象に,建替え前後約4年間かけて使われ方を調査しました。この施設の特徴はカーペット敷きの「小上がり」の空間です。子供達が家の中で寛ぐと聞くと畳や絨毯の上で寝転んだり,あぐらで座る姿を連想しますが,障害児にとっての家である福祉施設ではリラックスした姿勢で過ごせる場所は殆どありませんでした。調査の結果,建替え後は子供達・職員共にこうした場所にいる時間が大幅に増加し,リラックスした姿勢で過ごすようになりました。そして何よりも職員が子供達の様子を間近で感じられるようになっています。これまで日本の福祉施設は居住環境の水準が低いと指摘されてきましたが,こうした研究成果を元に居住環境の質の向上に繋げていく事が期待されます。

鈴木 健二(居住福祉計画学研究室/住環境計画学)



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宇治茶生産集落における茶工場の特徴と変遷

宇治茶の生産地として知られる京都府相楽郡和束町には茶畑とともに多くの茶工場が現存し,茶生産集落として独特の景観を形成しています。茶工場の伝統的な形式は,1階に連続窓を多用して換気や採光に優れた作業場とし,2階を煎茶の伝統製法に欠かせない茶葉の摘み子など季節労働者の居室としました。近代,製茶の機械化が進展するなかで,トラス梁を採用した気積の大きな越屋根付きの平屋建てへ建て替え,増築されていきました。茶工場が織り成す集落景観は,集落ごとの製茶業への取り組み方の差異や変遷を表しています。誰もが価値を認める立派な建築物だけでなく,これまで着目されてこなかった建築物に新たな価値や魅力を発見することも,当研究室の重要なテーマの一つです。

奥矢 恵(インテリア意匠学研究室/住環境計画学)



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既存建築物の再生事例における「時間」の表現手法に関する研究

スクラップアンドビルドの高度経済成長の時代が終わり,21世紀は既存建物を改修して使い続けていく「リノベーション」が重要なテーマとなりつつあります。
「リノベーション」において設計者が果たすべき役割は,ただ新しくて機能的な空間をつくれば良いというものではなく,その場所や人々が経験してきた「時間」をどのように受け継いでいくか,ということも同時に考える必要があります。また新しく作られる空間であっても,過去との時間の連続性を感じられる空間であることは,人間がその場所に心地よさを感じるために大切な条件だと考えています。空間の設計において,どのように「時間」を設計対象として扱うことができるのか,をテーマに研究に取り組んでいます。

森田 一弥(インテリア計画学研究室/住環境計画学)



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伝統技術の生気候学的評価

伝統建築にはただ古いだけではない,ときに現代よりも優れたポテンシャルを備えていることがあります。兵庫県三田市の藁で葺かれたウド小屋もその一つです。ウドを白く柔らかく栽培するために,この小屋で日光を遮断して保温しながら成長させます。保温にも藁の発酵熱を用いるため,栽培の全工程で排出するCO2は,今では一般的になったビニルハウス栽培の約半分と,圧倒的に高い性能を持つことがわかりました。
ビニルハウスよりもゆっくりと成長するため,味や香りがよい品質の高いウドを収穫できるのですが,時間をかけた分,生産効率が悪くなります。こうした課題に対応しつつ,優れた技術を残す方法を探っています。

長野 和雄(建築都市環境学研究室/住環境機構学)



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色や明るさ等の視環境が対人コミュニケーションに及ぼす影響

私たちが普段友人や同僚などと話をするとき、意識は相手や話の内容に向かい、取り囲んでいる環境の視覚要素(色や明るさ、テクスチャーなど)は、あまり意識されることはないでしょう。しかし、実際には意識されることがなくても知らず知らずのうちに、相手の印象や相手との心理的距離、対話行動までもが視環境から影響を受け、私たちは相手とコミュニケーションしています。
具体的には、明るく、あたたかな色みの空間は、相手が「寛容で、協力的な人物」であるとの印象を与え、自然が感じられる空間では、相手をより身近に感じるといったことが明らかになってきています。

石川 敦雄(視環境計画学研究室/住環境機構学)



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経験的な土壁左官技術への工学的アプローチ

京都にはたくさんの伝統的な木造建築があり,街並みや文化を形成しています。こうした建物を保存するためには,建物を使い続けることが必要です。建物を使い続けるためには,安全への配慮が必要です。京都の伝統木造建築の安全性を考えたとき,優れた特性を持っている材料の一つが土壁です。しかし,経験的に使われている材料なので,品質を管理した材料を工学的に評価するということができていません。産地による組成の違いや,混入させる藁などのタイミングなどの工程を工学的に評価するための研究を行っています。

田淵 敦士(木質構造学研究室/住環境機構学)



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厦門市における都市緑化空間と鳥類との関係について

公園などの緑地空間は,都市に住む人にとって大切な場です。それは,緑地があることでの心理的緩和や快適性,文化性の向上,都市環境改善の効果などといった様々な要素を含む場だからです。その要素の中の一つに「都市の生物多様性」があります。国内外の政府や地方行政などが都市の中に生き物との共生環境を目指して,豊かな「まちづくり」に進めようとしています。そこで本研究は,緑化が積極的に進められている中国の厦門市を事例に,公園などの緑の状態や植栽状況と,そこにいる鳥類との関係を調べ,都市の生物多様性について探り,調べてきました。その結果,公園などの緑地は,高木や中木,低木,草本など階層的な構造に植栽されていることが多様性を高める大変有効なことであること,様々な植物の種が植えられていることも大切であるなどを示しました。都市の緑地が人や生き物にとって,どうあるべきなのか,これからも研究を進め,都市にとって,人や生き物にとって心地良い緑地空間を創出できればと思う所です。

福井 亘(ランドスケープ学研究室/住環境機構学)


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地域特性に応じた避難者支援マネジメントのあり方の構築

大規模災害時には多様な場所への避難が行われます.膨大な避難者数と避難場所数から,その状況把握や情報の伝達,食料・生活物資等の支援に支障が生じる一方で,地域住民らによる内発的.自発的な活動も多く見られます.本研究では避難時における被害を低減し,また被災後の復旧復興に向けた基盤となる避難生活の構築に寄与することを目的として、小学校などの指定避難所や公民館・民間施設などの地域内施設と,災害時に実際に対応を行う地域住民・行政職員・ボランティア等の,相互補完的な機能と役割にについて地域特性に応じたあり方を示し,地域で仕組みを作ることに取り組んでいます。

荒木 裕子(住環境防災学研究室/住環境機構学)



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学会発表・設計活動

研究計画を立案し遂行するだけでなく、成果を国内外の関連する学会や研究会で発表を行い、発信力を身につけます。設計では各種コンペティションに積極的に応募しスキルを磨きます。毎年、発表賞・ポスター賞・研究奨励賞などの受賞者、コンペへの入賞者を輩出しています。

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